シルクロード:突厥之路 12

GRT(グルメトルコ)特集

第五日目:ブハラ


・ピラフ

血すら沸騰しそうなブハラの真昼、ようやくありついたウズベク・ピラフ。背後でロシア人がビールの注ぎ方についてやたら細かい指定をしているのを聞きながら、鮮やかにピラフとジュースを注文。ところでウズベキスタンで見かける外国人(コーカソイド?)観光客はほぼロシア人(のように見える)。そもそもおよそ三十年前まで、ここはロシア人にとって外国ではなく、ウズベク人にとってロシアは外国ではなかったのだから、一杯目のビールに満足できなかった様子の彼を外国人と表現するのはおかしいかもしれない。

ともかくピラフ、米である。米が黄色いのはおそらく香辛料ではなく色付けのおかげ、具は肉と人参、そしてなんだか甘い果物?である。あとはガンガンの油、歩き回って水分をはじめいろいろなものを失った自分には油もうれしい栄養である。これを木陰でもくもくと食べる、気分は部活のあとに飲むポカリ(筆者の年齢を考えれば仕事終わりのビールと書くべきかもしれないが、あんな不味いものを例に出すことは躊躇われる)。油がダシになっているのか、思ったよりも深みのある味である。

炎天下でぬるくなったジュースをがぶ飲みすれば、ようやく午後も頑張れそうになってきた。席を立って何万ソムかを支払う。いつのまにかロシア人はいなくなっていた。


・チョル・ミノール

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1860年代のロシアの猛攻を前に陥落したブハラ城壁を眺め、中央アジア最古のイスラーム建築であるイスマーイール・サーマーニー廟(なんと遊園地の真ん中にある)を見に行き、金曜礼拝を横目にブハラ旧市街をグルグル回りながらたどり着いたのがチョル・ミノール。ブハラ旧市街は建物がみな土色で、路地も狭くて自分がどこにいるのかわかりにくかった。

チョル・ミノールは四つのミナレット(塔)という意味。文字通り四つの塔でできている。中には入れず、外から眺めて一周しただけに終わる。写真にあるように、ブハラの住宅街には黄色い管がはりめぐらされている。電線のように空をむすんでいるこの管、もちろん水道管ではない。ブハラはバスすらガスボンベで走っている天然ガスの街であり、この配管も天然ガスのものである。

チョル・ミノールからは一路、ホテルを目指す。およそ二時間くらい徒歩。ブハラは夕方に涼しくなるということはない、むしろ一番熱くなる時間帯が夕方である。日差しも一段と厳しい。途中のスーパーで休憩をはさみ、道を間違えた恐怖に苛まれながらホテルに生還。クーラーが効いていてやたら広い部屋に倒れこんだ。ここに王都を置いたウズベクのハーンの気持ちは最後までわからなかった。終わってみればブハラの思い出は暑さとピラフにつきる。

 

永島 育

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