
トルコがきのこの種類が豊富な国だということはご存じだろうか。広い国土の中できのこが豊富にとれる土地がそこにはあるのだ。今回は旬のきのこについて見ていき、どのように調理すればそのおいしさを最大限に引き出せるか、教えてもらおう。
トルコはきのこの種類が最も豊かな国の一つである。我々もこの奥深いきのこの世界を冒険するために、きのこ専門家ジルベル・バルトゥチィヤン氏と料理家イディル・タタリ氏と共にベルグラドの森に来た。目的は以下のようである;旬のきのこをとること。ジベルはきのこを探し、イディルはおいしさを最大限に引き出す料理を作る。その後はおいしくいただく。
トルコは生物学的に、また様々な文化が交わっているという点において世界で最も素晴らしい場所に位置する。例えば、ヨーロッパ大陸全体には12000種類の植物があるが、アナトリア半島はその地域のみで、10000種類の植物が存在するだけでなく、その数は常に増加している。鳥や魚の種類をとっても同じことが言える。
きのこに関しても驚くほど豊富な種類があるのだ。ジルベルの情報によると、ヨーロッパにはあって、トルコにはないきのこは存在しないらしい。トリュフのような経済的に価値のある、高級きのこもこの中に含まれる。トルコには30000種類以上のきのこがあるが、我々はそのうちの2500種類しか公式的には判別していない。これらのきのこを最低でもいくつかは見つけられるだろうという希望を持って、我々は森の中へ入った。
ジルベル・バルトゥチィヤンは、ベルグラドの森に踏み入れると、「一番いいきのこ売りは生き残る事の出来る人だ」という言葉から始めた。これだけで十分啓蒙的な言葉であるが、すぐに以下のように続けた。「きのこの選び方はこうだ。森の動物が食べるのであれば、我々も食べよう。何か液体が染み出ているのであれば、それは毒である。村人が知るとか年配の人の昔からの知恵で分かるとかで判断して食べてしまう人は死ぬ。従って、毒にかかる人が大勢いる。」
紹介が遅れたが、彼はスイス健康省の許可を得た、きのこ研究家、つまりはきのこ博士である。他人の収集したきのこはチェックする。どんな種類のきのこにも、貿易許可証を書かなければならない。またきのこに関する授業を開く資格もある。だからジルベル氏より上手くキノコ狩りができるキノコハンターがいない。
「先週、ここでポルチーニ茸の家族を残してきたんだが。」といって心躍らせながらその方向に向かう。その間、イディル・タタリは、きのこを使った料理のコツを教えてくれる。パスタ、ピラブ、ロースト、スープなど。ジルベルの我々を脅かすような話の後に再びキノコを味わいたくなってくる。
1キロ120ユーロのきのこにキック
きのこは、生物学的に未だ植物なのか、動物なのか、はっきりとわかっていない。このため、我々はこの二つの間のものとして定義しておく。ジルベルに、我が国の人々のきのことのかかわりをきいたところ不思議な、暗いほほえみを浮かべて話し始めた。「実はトルコにおいて人ときのこの間には関係があるようで、ないようなものである。シーザーきのこを見つけるためにヨーロッパの様々なところを探してきたが、ベルグラドの森(イスタンブールの北西にある巨大な森)に初めて来たとき、まだ2、3歩しか歩いていないのにすぐに見つけることができた。私は驚きを隠せず自分の目の前にあるシーザーきのこを見ているとき、男が一人、きのこのところへ来て、蹴った。「こんなの食べれない」といい行ってしまった。私は言葉を失くしていた。当時そのきのこはヨーロッパの方では1キロ120ユーロの値段だったのである。我々は一般的にきのこに関して一番気になるものは、どれが幻覚を起こすのか、どれが食べられるものなのか、ということだろうが私はまず最初に教えるのは食べられないものである。」
毒キノコに解毒剤はない
イディル・タタリもまた、きのこについてよく知らないであまり良くないきのこを使って料理にするのが一般的だと話す。この時、ポルチーニ茸がたくさんあるところまで辿り着いた。ジルベルは、一つ一つ選び出し、かごに入れ始めた。「例えば、このポルチーニ茸がもう新鮮ではない。そうなったら、調理をするより、乾燥させた方がいいのだ。」待ちきれずに、「このような状態の良いきのこは自然から収集して、どのように食べるの?」と聞いたところ、ジルベルは短く、鋭い答えを返した。「じきにわかってくる。まだ習っていないのに、自然からきのこを収集し食べれば、死ぬ可能性もあるし、死ななくともその後ひどい目に合う可能性はある。その上、毒きのこには解毒剤はないのだ。」
我々が森を歩いている間、多くのきのこを目にした。どれかについて聞いたら、「それは毒が入ってる、それはとてつもない毒が入ってる、それは消化不良を起こす」などと教えてくれた。結局最後には、あまり多くのきのこを見つけることはできなかったが、森の中で素晴らしい一日を過ごすことができた。
きのこをつかった料理のコツ
さあようやくキッチンへやってきた。手元にはきのこはないがジルベルがいる。彼のいう通りきのこの味を確かめる時がやってきた。キッチンの女王、イディルのもとで。きのこを用意して料理を始める。まず大事なのは、きのこ独特の香りが消えてしまわないように洗わないことである。このため、一つ一つのきのこを、紙タオルで優しく拭かなければならない。イディル・タタリは、きのこを使って料理をするとき、以下のことに注意するべきだと述べている。
・きのこはスポンジのようなものである。調理するとき、一緒に調理する他の食材のうまみも一緒に吸う。
・良いきのこの香りを最大限に引き出したいのであれば、グリルするだけでも十分である。
・スーパーなどで売られているきのこはバターとにんにくと共に調理し、最後にパセリで味を調えれば、それだけで最高だ。
・きのこはソテーする際、鍋をいっぱいにしすぎないようにしなければならない。このようにして鍋の熱が落ちないようにカラメル状にすると良い。
・きのこのソテーは、肉、鶏肉、魚料理と共に副菜として食べられる他、サラダ、ハンバーガーやサンドイッチにも使うことができる。
・きのこはタイム、パプリカ粉などのスパイスとよく合う。
・きのこはオーブンで低い温度で乾燥させ、ビンでその後も使えるように保存することも可能だ。
・きのこは調理した後、冷凍保存もできる。しかし半年以内に消費することをおすすめする。
トルコ風きのこスープ
材料
きのこ 500g
赤玉ねぎ 1個
タイム 大さじ2
トルコ風パセリ 1掴み
にんにく 3かけ
牛ベースブイヨン・鶏ベースブイヨン・水 1リットル
クリームチーズ 大さじ1
塩、こしょう 少々
油 適量
手順
1.きのこをあつい油で5-6分火を通す。
2.きのこを取り出し、同じフライパンでにんにく、玉ねぎ、タイムを足し10分間炒める。
3.牛ベースブイヨン、塩とこしょうを足し、沸騰したのち弱火で25分間じっくり火を通す。
4.ブレンダーを使い少し歯触りが残るくらいの細かさにする。
5.クリームチーズを足す。パセリで飾り、できあがり。
きのこパスタ
きのこ 500g
パスタ 250g
生クリーム 100ml
にんにく 5かけ
トルコ風パセリ 少々
塩コショウ 少々
パルメザンチーズ お好みで
手順
1.にんにくをこんがりするまで炒めた後きのこを入れ、ゆっくりと火を通す。
2.パスタをアルデンテの硬さまでゆでる。ゆで汁をコップ半分とっておく。
3.きのこに生クリームを入れ、パスタのゆで汁にクリームソースをたす。よく混ざったらパスタも入れる。
4.パルメザンチーズとトルコ風パセリで飾る。
情報源:www.hurriyet.com
翻訳者:Chihiro UCHIYAMA
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