オスマン帝国の宮廷調理場

皇帝の食卓

シェア・応援ください

トプカプ宮殿に残る調理場は、スルタン、そして宮廷とハレムの人々の給仕として存在した。宮廷の庭へと続く回廊の背後には宮廷貯蔵室、 ハス・ムトファク(スルタンの台所)とヘルヴァハーネ(デザートの料理場)がある。細く長い中庭の横にはシェルベトハーネ(シャーベットを作る)、レチェルハネ(ジャムを作る)、ヘルヴァハーネの調理場、シェフのための礼拝室、屠殺場、今日は宮廷文書館として使われている地下室と、反対側にはシェフの寝床までも備えられている。宮廷調理場で働く人々は、クッベアルトゥ(政府高官達の会議場)に参加する政府高官への給仕を担った。

10の部門に分かれている調理場は15世紀に作られ、16世紀のスレイマン1世の時代に拡張された。1574年の大火事の後に、ミマール・スィナンの手によって修復された。とくに調理場の南に位置し、石壁に覆われたレンガ作りのドーム建築は15世紀から残るものである。またヘルヴァハーネはスレイマン1世の時代からのものであり、四つの部屋があった。入り口の右側には1767年に寄進された石碑と噴水がある。

調理場の門にある、ハジュ・メフメト・アアの名前と1699年の日付が書かれた碑文は、修復がこの時にも行われていたことを示している。18世紀に付け加えられたというシェフ達のための礼拝室は材木の集積場でもあった。調理場につながる給仕の通り道とシェフの寝室など、修復によってかえって失われてしまった場所もある。


原典:http://www.topkapisarayi.gov.tr/

文責:広田潤平


シェア・応援ください

Be the first to comment

Leave a Reply

Your email address will not be published.


*